債務整理費用が払えない場合どうする?
法テラスの利用条件は?
法テラスを使うとどれくらい安くなるの?
こんな疑問にお答えします。
- 法テラスの利用条件
- 法テラスを利用した場合の債務整理費用
- 法テラスの利用手順
- 法テラスが利用できない場合の対処法
本記事では債務整理での法テラスの利用について解説します。
借金の返済が困難になり債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)をしたいと思っていても、債務整理には何十万円という費用がかかります。
借金で苦しんでいるのにそんなお金用意できないよ!って思いますよね。
そんな時は法テラスを利用すると、費用の建て替えをしてもらえるうえに費用自体も安く抑えられます。
法テラスとは?
法テラスとは、正式名称を「日本司法支援センター」といい、国が設立した法的トラブルの解決を支援する機関です。
債務整理の問題に関しては、経済的な余裕がない人に対して以下のサポートをしてくれます。
- 無料法律相談
- 弁護士費用、司法書士費用の立て替え
法テラスの利用条件
法テラスのサポートは、経済的に余裕のない人に対する支援なので、だれでも利用できるわけではありません。
利用するには以下の4つの条件があります。
①収入が一定額以下であること
本人と配偶者の手取り月収(賞与を含む)の合計が以下を満たす必要があります。
同居家族の人数と居住地によって金額が変わります。
人数 | 一般の地域 | 生活保護一級地 (東京、大阪など) |
---|---|---|
1人 | 182,000円以下 | 200,200円以下 |
2人 | 251,000円以下 | 276,100円以下 |
3人 | 272,000円以下 | 299,200円以下 |
4人 | 299,000円以下 | 328,900円以下 |
4人以上は、同居家族が1名増加するごとに30,000円(一級地の場合は33,000円)を加算します。
さらに、家賃や住宅ローンの支払いがある場合は、下記の金額を限度に負担額を上の基準額に加算できます。
人数 | 一般の地域 | 東京都特別区 |
---|---|---|
1人 | 41,000円 | 53,000円 |
2人 | 53,000円 | 68,000円 |
3人 | 66,000円 | 85,000円 |
4人 | 71,000円 | 92,000円 |
例えば、東京で一人暮らし、家賃6万円の賃貸に住んでいる場合。
200,200円 + 53,000円 = 253,200円 以下であれば対象となります。
②資産が一定額以下であること
本人と配偶者の保有資産の合計額が以下の基準を満たす必要があります。
人数 | 資産合計額 |
---|---|
1人 | 180万円以下 |
2人 | 250万円以下 |
3人 | 270万円以下 |
4人以上 | 300万円以下 |
③勝訴の見込みがないとはいえないこと
回りくどい言い方をしていますが、要は自己破産や個人再生ができる可能性があるか?任意整理で和解の可能性があるか?です。
例えば、詐欺的な借り方をして、明らかに免責が認められない(勝訴の見込みがない)場合は利用できませんよってことです。
よほど悪質なことをしていない限りは、免責の見込みがないとは言えないので、この条件は考えなくても大丈夫です。
④民事法律扶助の趣旨に適すること
債務整理については、趣旨に適しているのでこの条件も考える必要ありません。
趣旨に反すること、例えば報復的感情を満たすだけや宣伝目的の訴訟、または権利濫用的な訴訟などへの援助はできませんといった条件です。
法テラスを利用した場合の費用基準
法テラスを利用せずに弁護士/司法書士に依頼した場合、以下が相場です。
◆債務整理の費用相場(裁判所費用除く)
- 任意整理・・・1社あたり2~5万円+減額報酬(10~20%)
- 自己破産・・・20~50万円
- 個人再生・・・30~60万円(住宅ローンありは+10万円程度)
これらの費用に対し、法テラスを利用すると費用は安く抑えられます。
そして、その費用は法テラスに立て替えてもらい、月額5,000円~10,000円程度の分割で支払うことになります。
法テラスを利用した場合の費用基準を見てきましょう。
任意整理の費用基準
債権者数 | 実費 | 着手金 |
---|---|---|
1社 | 10,000円 | 33,000円 |
2社 | 15,000円 | 49,500円 |
3社 | 20,000円 | 66,000円 |
4社 | 20,000円 | 88,000円 |
5社 | 25,000円 | 110,000円 |
6~10社 | 25,000円 | 154,000円 |
11~20社 | 30,000円 | 176,000円 |
21社以上 | 35,000円 | 198,000円 |
【例】3社から300万円借金しているケース
法テラスを利用:実費20,000円 + 着手金66,000円 = 86,000円
法テラスを利用しない:30,000円×3社 + 減額報酬30,000円 = 120,000円
※1社3万円+減額報酬10%の場合
自己破産の費用基準
債権者数 | 実費 | 着手金 |
---|---|---|
1~10社 | 23,000円 | 132,000円 |
11~20社 | 23,000円 | 154,000円 |
21社以上 | 23,000円 | 187,000円 |
一般的に30~50万円かかる費用が、法テラスを利用すると15.5~21万円に抑えられます。
個人再生の費用基準
債権者数 | 実費 | 着手金 |
---|---|---|
1~10社 | 35,000円 | 165,000円 |
11~20社 | 35,000円 | 187,000円 |
21社以上 | 35,000円 | 220,000円 |
一般的に40~60万円かかる費用が、法テラスを利用すると20~25.5万円に抑えられます。
法テラスの利用方法
法テラスを利用して債務整理を始める流れを紹介します。
条件を満たしていれば、民事法律扶助制度の利用を申し込んで無料相談を受けます。
立替制度を利用するための審査があります。審査が通れば弁護士/司法書士を紹介してもらえます。
紹介してもらった弁護士/司法書士と契約を結びます。
自分で弁護士/司法書士を選ぶ「持ち込み方式」もできる
法テラスを利用すると弁護士/司法書士を指定(紹介)されます。
そうすると、紹介された方との相性が合わなかったり、経験の少ない担当者に当たってしまうといことも起こりえます。
そういった事態を避けるために、自分で弁護士/司法書士を選んで、その事務所を介して法テラスの申請をすることもできます。これを「持ち込み方式」と呼んでいます。
法テラスを介さなくても相談は無料な事務所が多いので、自分でアポを取って直接面談に行き、納得のいく事務所を探しましょう。
良い事務所が見つかれば、その弁護士/司法書士を介して法テラスの申請をしてもらうことで援助を受けれらます。
法テラスを利用できない場合
収入や資産の条件で法テラスを利用できない場合もあるでしょう。
法テラスを利用しなくとも多くの事務所では分割支払いに対応しています。
まず、委託契約をして受任通知を送ってもらえば、取り立ては止まります。
法テラスを利用できないほどの収入であれば、返済がなくなれば費用を積み立てていくことはできるでしょう。
分割払いに対応している事務所にお願いし、受任通知を出し支払いを止め、費用を分割で積み立てていきましょう。
@Blackshrimp555